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佐藤英輔のライヴ三昧 Diary noteから引っ越し中


by eisukesato

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2003年11月4日〜27日

27日(木)

タウン・アンド・カントリー

 品川にある、キリスト品川教会グロリア・チャペル。アコースティック傾向公演がここのところたまに組まれている場所だ。なるほど、まさしく大きめな教会のパイプ・オルガン付き礼拝堂だ。天井は高い。ただし、正面はコンクリート打ちっぱなしだし、両側はガラスのブロックみたいなやつ。音の反響は凄いはず(だからこそ、音の小さなものには適している?)だけど、純粋な音響という部分ではそんなにいいとは思えない。なんせよ、なかなか気分が変わって出し物に接することができる所ではありますね。

 まず、日本人のサンガツがパフォーマンス。ああ、ツイン・ドラムっていいなと思わせられたこと以外は、積極的評価は生まれてこない。
    
 タウン・アンド・カントリーは場所に合わせ、完全ノー・PAにて。でも、それも彼らの音楽性には合っていると思わせられたナ。ステージには、分別ありそうなアメリカ人(うち、女性一人)が4人立つ。彼らは各種弦楽器、管楽器、打楽器系小物、なんと言っていいか分からない楽器(手回しオルガンのようなものも使ったな)を自在に持ち替えながら、淡々と演奏を進めていく。けっこう音大出身の人がいたりするのか、とも思わせられる。基本はミニマル・ミュージックで、それを自分たちなりに洒脱な感性で気儘に開いてくうちに、こんな感じになったと思わせるところもあり。少なくても、ぼくにとっては淡白なフレイヴァーも(実は、奥では複雑なんだけどね)悪くないアメリカーナ表現であり、好ましい風情とストーリー性を浮き上がらせていると思った。それから、抽象的な音の場合、それを目の前で出している様を見ることができるほうがより興味深く感じますね。


26日(水)

ザ・ダークネス

 青海・ゼップ東京。話題の新人ロック・バンドと言えるのか。ま、何かと騒がれてて、旬のバンドとは言えるんだろう。とは言いつつ、頭が少し薄いかもと思わせる長髪のフロント・マンをはじめ、そんなに若いゾという感じはなかったが。実際、演奏能力は英国の新進としてはいけてて、さらには商売っ気という事項ともツつながる、彼らが持つエンターテインメント感覚が実にソツのないものであったから。

 音楽的には、絵に書いたようなオールド・ウェイヴなロック。昔の音をいろいろ聞いている人間にとっては、新味は何もなく、なんともパロディっぽく聞こえる。ヴォーカルはCDだと多少妖艶な裏声を用いたりして、その居心地の悪さが妙味に繋がる部分もあったが、実演だともう少しフツーっぽい。多くはAC/DC的と言えそうな曲調(少しは、5弦のオープンニューニング使ってもハマるような的を得たR&R調)のもと、その中央に立つジャスティン・ホウキンスが金切り声をあげつつ奮闘する。でも、力量はちゃんとあるので、ヤな感じはない。そのホウキンスは前半から上半身裸、その後2回、70年代初頭のツアーでミック・ジャガーが着ていたような派手なジャンプ・スーツ(スライ・ストーンが、と言ってもいい。一般的にはクイーンのフレディ・マーキュリーと重ねられるらしいが、クイーン嫌いのぼくにはなんとも判断がつかない)に着替える。彼はこれみよがしのギター独演(かなり巧い)を聞かせたりもする。てな感じで、何もかもが彼が前面に出てのステージ運びを見せた。その風体やステージ運び、頭があまり良くなさそうな(一部、客を舐めたような)観客とのコール&レスポンスなども含め、非音楽面でも70年代前半のUKバンドのあり方を思い出す。彼らの様を見ながら、こういうのが大昔のロック様式のスタンダードだったんだよなあ、と痛感。それがいつのまにかカッコ良くなくて不自然なものとなり、隣にいるようなあんちゃんたちが横一線に並んで音楽を作るバンド群が主流になったのだよなー。でも、こーゆーのがあってもいいか。ロック的アミューズメント・パーク、そんな印象も持つ。

 若い人達には新奇なコスプレ・バンドとして見える、と聞いたが、繰り返すが彼らほど昔の様式をそのまま引き継いでいるバンドも珍しい。これを見ると、先のホワイト・ストライプス(10月21日)は音は昔の引用でも、見せ方や出し方はオルタナティヴだなと思わせられる。


22日(土)

ミシェル・ンデゲオチェロ、レタス。

 火曜日しか見るつもりはなかったが、10年強ぶりに会ったマイケル・ケインのお誘いに従い、また見る。この日もセカンド・ショウ。どうやら、ファースト・セットはレタス~ンデゲオチェロのパピロン・バンドという順で出て、セカンドは逆の順序で出てくるようだ。

 DJが回すなか、ンデゲオチェロたちの演奏が始まる。ちょっと、3日前とは違う印象を持ったかな。全体的なイメージとしては先のほうがいい。でも、彼女はけっこう一音、一音気持ちを込めて弾いている、と強く思わせる。この晩のギグを見て、彼女のベース・ラインってポール・ジャクソン(2002年3月12日)とけっこう似てるとこあるなと感じた。

 それから、レタスの演奏時もそうだったが、異常に音が良くてビックリ。いやあ、信じがたいぐらい音が良かった。一つ一つの音が実にクリアーに、いいバランスで重なる。素晴らしい素晴らしい素晴らしい!

 レタスはこの晩は最初からみんな総立ち。曲目をけっこう変えていて、この日の最後はJB応用曲でつっぱしる。そして、この日は最後にアンコールありで、レタスの面々にンデゲオチェロ以外のプレイヤーたちも混ざってのセッションを披露した。

 ンデゲオチェロ・バンドの鍵盤奏者のマイケル・ケインからは、サントラ(ラヴ・ロマンスものって言ってたな)用に録った彼の楽曲を収めたCD─R(i-ブックから落としてくれた) を貰う。それ、ンデゲオチェロの新作をインストにしてもっと、浮遊感や柔和なクールネスを増させたような音だ。やっぱ、才能ある! 終演後、ンデゲオチェロと話し込んでいたりして、かなり音楽的に信頼しあっている感じはありあり。ぼくにくれた音のベースはロニー・プラキシコ(2001年9月6日)だそう。ニューヨークに戻ったら、トリオ編成による音も送ってくれるそう。日本発売できないか、少し動くつもり。興味のある方はご一報を。それから、自分がリーダーの来日ギグもやりたがっていたが。


21日(金)

安藤裕子

 原宿・FAB。あらあ、才ある人ね。ショーケース・ライヴ。元ディキシー・タンタスのキーボードやグレート3のリズム隊やスカパラのホーン二人らを率いてのもの。混んでいて、ちゃんと受け止めることはできなかったが、その才のあり具合に驚く。うわあ、って感じ大アリでした。この晩、夜の気温が異常に高かった。


20日(木)

ジャネット・サイデル

 オーストラリアの女性シンガー/ピアニスト。兄でもあるそうな縦ベース、ギター、そして日本人ドラマーを率いての実演を見た。赤坂・B-フラット、混んでいたな。スタンダードを小粋に歌う。なんら押しつけがましくなく、寛ぎ感横溢。ああスタンダードっていいな、ジャズ・ヴォーカルっていいなと、ほんわかと、素直に思わせますね。わざわざレコードまで買って聞こうとは思わないが、酒飲みながら触れるなら十分にアリ。少なくても、態度のデカそうなダイアナ・クラールよりは気楽でいいんじゃないだろうか。


18日(水)

映画『モロ・ノ・ブラジル』。映画『ピニェロ』。ミシェル・ンデゲオチェロ、レタス。

 なんか、普通の日の3倍の質量があったような日。午前中、ご飯食べがてら、打合せ一本。続いて、午後一から、試写会2本。

 『モロ・ノ・ブラジル』はフィンランドの鬼才監督アキ・カウリスキの兄ミキの、2002年ドイツ/フィンランド/ブラジル合作映画。ブラジル音楽に長年魅せられている彼が、自らガイド役となり、ブラジルを旅するロード・ムーヴィと言っていいか。北東部を回り、最後はリオへ。観光地的ではなない、市井の人々による音楽の現場が淡々と描かれる。うわ、すごい貧しいなかでの音楽の営みも紹介され、一部複雑な気持ちになること請け合いだ。情緒的な美化を挟むことなく、ミキ・カウリスキは現場を的確に描写する。そして、それは彼の人間の品性の高さを教えてもくれるだろう。最後のほうの、リオの山でのJB経由ファンク合戦には高揚。うわあ。一部では、ブラジル版ブエナ・ビスタという話もあるが、この作品のホスト役が有名ロッカーで、監督が世界的著名人だったら、ブラジル音楽の一般的扱いも変わってくるのだろうか。見ながら、そんなことも思う。とにかく、強烈な何かを見る者に与え、ブラジル音楽に対する新たな示唆を投げかけるドキュメンタリー映画だ。新橋・TCC試写室。シブヤ・シネマ・ソサエティでロードショー。

 続いて、京橋・映画美学校第2試写室で、『ピニェロ』。こちらは、NYのプエルトリコ人コミュニティでは知らない人はいないという、サブ・カルチャー的文化人ミゲル・ピニェロを題材とした映画。劇作家、詩人、俳優であったとか。彼をカッコ良く描く映画かと思いきや、ヤク中でアル中の駄目男という側面にも焦点を合わせている。で、素直に彼の歩みを追うのかと思いきや、けっこう時系列が前後しながら、描かれる。それが、成功しているとは思えないが。とともに、それがなんか余計な作為性を感じさせ、生理的にまっつぐな『モロ・ノ・ブラジル』の後だとちょっと辛く感じる部分もあった。これ、一本だけ見ているとだいぶ違った感想が出てくる、とも思ったが。やっぱ、映画のハシゴはしないほうがいいかもしれない。レオン・イチャソ監督、01年アメリカ映画。音楽はキップ・ハンラハン。新年、シアター・イメージフォーラムで公開。

 そして、一本取材をこなしたあとに、ミシェル・ンデゲオチェロ(・バンド)とレタス、二つのNYバンドが出るショウを見るために南青山・ブルーノートに行く。セカンド・ショウ。なぜ、その二組が一緒にやるか。同じプロダクション(ヴェロア)に所属しているからで、あちらでも一緒にライヴをやったりしているようだ。

 最初に出てきたのはミシェル・バンドのほう。その際のステージの照明、暗かった。ぼくがブルーノート東京で見たなかで一番か? そして、さらに驚かされたのは、素晴らしいヴォーカル・アルバム『コンフォート・ウーマン』を出した直後なのに(ましてや、前回のここでのパフォーマンスは完全ヴォーカリストと中央に立ち、あまりベースをさわらないショウを展開したのに。2002年6月18日参照)、それとはまったく別チャンネルの全インストのショウを繰り広げたこと。ンデゲオチェロはもう黙々と、ねばる、太いベース音を供給し、アルト、ペット、キーボード、DJ、ドラムをまとめ、引っ張っていく。マイルス的静謐さや冷笑がするりと入り込んでいた、ひたひたとしたグルーヴ・ジャズと、それは形容できるか。サイドの奏者は出自がバラバラ、でも、だからこその面白さもあるし、何よりベース奏者=ンデゲオチェロのファンなら大喜びのものであったか。私は何をやっても私であり、意味のあることをできる。そう淡々と語っている感じもあった。そういえば、マドンナのマーヴェリックと契約している彼女であるが、ヴァーヴから1枚インスト作をリリースするという情報がこの春に出たことがあったが、今回のギグはそれと繋がるものであるのだろうか。

 見ながら、ンデゲオチェロのバンドの顔ぶれにぎょぎょ。白人の中年トンペッターは知らない人だったが、アルトはなんとオリヴァー・レイクじゃないか! 自慢のドレッド・ロックスが禿げあがっていて、後ろのほうしかなくて、さらに驚く。彼はセシル・テイラーとともに、もっとも早くドレッドにしていたジャズ・アーティストじゃなかったかな。というのはともかく、ぼくのサックス・ヒーローの一人(当然、8月29日のDJのときも彼の皿を回している)。マイケル・グレゴリー・ジャクソンやブランドン・ロスなど、興味深いギタリストを目敏く自己グループに入れていた人でもある。やはり見事なソロを披露、うーん、本来は単独でやらせなきゃいけない人であるよなあ。先日(8月9日)のデイヴィッド・マレイに続く、ビッグ・サプライズ! これだから、ブルーノートのライヴは油断が出来ぬ(?)。なお、DJはなんと彼の息子とか。へ~え。

 そしてさらには、エレピ担当者はECMからリーダー作(『サーカ』96年)を出したこともあるマイケル・ケイン。うわ、あのマイケルだ。彼とは確か90年にNYで知り合い、その翌年ぐらいに彼がジャック・ディジョネットのアースウォーク・バンド(ゲイリー・トーマス、グレッグ・オズビー、マイケル・ケイン、ロニー・プラキシコ、という黄金のメンツ!)で来たときには、東京案内してあげたことがあったのだ。一緒に浅草に行って、日本食が好きだと言うので鰻を食べて、墨田川の水上バスに乗って浜離宮に行って……(浅草や墨田川や浜離宮なんて、あのときが最初で最後、じゃ)。当時、Eメールなんてなかったから、次第に疎遠になってしまったわけだが。とにかく、間違いなく、ジャズ系のミュージシャンとしては一番ぼくと音楽の嗜好が合う人物。年は、30代半ばぐらいかな。なーるほど、そんな彼をンデゲオチェロが重用するのは非常によく分かる。

 45分ぐらいのンデゲオチェロ・バンドの演奏が終わり、少しの休憩をおいて、レタスが出てくる。ソウライヴのエリック・クラズノウが中心となった、ファンク・ジャズ・バンド。今回のキーボードはソウライヴのニール・エヴァンス、やはりアルトは一時ソウライヴにいたサム・キニンジャー、ドラムはンデゲオチェロのショウでも叩いていたアダム・ダイチ(いや、こっちのほうのオリジナル・メンバー。彼はジョン・スコフィールドのバンドのドラマーでもある)、他にテナー、トンペット、もう一人ギター、ベース。そして曲によってはレイクの息子らしいDJジャヒ・サンダンスが加わる。とにかく、娯楽的かつ快楽的な、ダンス・ジャズ・バンド。歯切れがよく、ヴェロアから出ているアルバムよりずっと良い。最後はスライ&ザ・ファミリー・ストーン大会。

 後からちょっと調べてみたら、ミシェルは確かにインスト中心プロジェクトをしっかりとやっていた。それは“Papillon”プロジェクトといい、しっかりと録音も済ませており、そこにはケインやレイクやブランドン・ロスやドン・バイロンらが入っている。また、カサンドラ・ウィルソン(2001年2月12日、1999年9月2日、1999年8月28日)やレイラ・ハサウェイ(2002年5月13日、他)が歌で入ったりもしている。この晩やった演目も半分以上はそこに入っていた曲。1曲はレディオヘッドの曲もやりましたね。ともあれ、そのアルバム、もし出るとしても、ヴァーヴ以外のところから出るようだが。


17日(月)

アーバン・コネクション

 朝起きたら、かなり空気が乾燥気味なのを感じる。冬、到来間近。でも、陽光はより差し込むようになり、嬉しく感じる部分も。

 アーバン・コネクションって名前はねえよな。もうそれだけで、係わるの止めにしたくなる感じもありますが、例外もやはりあるのだ。もう、これは秀逸なノルウェーの若手ジャズ・コンボだ。

 編成はサックス、縦ベース、ドラム。ピアノなしで突っ走ろうとするだけで、その気骨のありかたは現れている? 事実、彼らのCD(2枚出ている)を聞いてぼくが真っ先に思い出したのは、オーネット・コールマンが北欧のリズム・セクションと組んでのライヴ盤『アット・ザ・ゴールデン・サークル』(ブルーノート、1965年)。それに対する共感を軸に、もう少し王道っぽく行ったり、今っぽく行ったり……。そりゃあ、悪いわけないじゃないか。実演も大雑把に言えばそんな感じで、「ショウ」ですと紹介してやったロックっぽい曲はテーマ(ベーシストはスティックで弦を叩いていた。また、別の曲ではもろにエレベのスラッピング奏法を縦に置き換えたことをやったりもしていた)がもろにラウンジ・リザーズだった。“ジミ”という名前が入るなんとかという曲があったのだが、それはジミ・ヘンドリックスのジミですと断っていたっけ。一方で、余韻感覚を持つ、北欧っぽいと思わせるような“退き”曲もやったが、それはぼくには余分だった。

 ベースがリーダーらしく、ベースとドラムはけっこう個性あり。サックスもなかなか吹くが、やはりメロディ楽器が一つだと、もう一つ突き抜けた個性が欲しくなると言えるかな。音楽学校の仲間で1996年に結成されたそうだが、3人ともまだ20代だろう。ベース奏者はデカかったが、残りの二人は小柄。ともあれ、安易にエレクトロニクス~クラブ音楽系語彙を用いず、ジャズがジャズであるために持ちつづけなければならない心意気と情緒を自分たちなりに持とうとしているグループであった。芝浦のスタジオ・キューブ32。


11日(月)

ミスティーク、タイムズ・フォー。井出麻理子

 雨の日。今季、初めてセーターを着る。ときに首筋、汗ばむ。

 渋谷・アックス、UKの女性コーラス・グループが二組でた。両者、一緒のマネージメントだったりするのかな。まず、新人の4人組のタイムズ・フォー。おそらく、ここに来た誰もが彼女たちのことを知らなかったのではないか。プリセット音にあわせ歌い(リップ・シングだったかも)、踊る。まあ、本編前の場を温める余興だと思えば……。20分ぐらいの実演。客の入りは良くない。

 続いて、3人組のミスティーク。ちゃんとした生バンド+DJを従えてのパフォーマンス。歌はコケシみたいな前髪をした娘が中心で、ラップは一番見栄えがする娘の担当。もう、一人はダンスで頑張る、って感じ……。ニコっと、軽い気持ちで見れました。

 そして、南青山・CAYで、井出麻理子(1999年12月6日)を見る。だいぶ、休養を挟んでのもののよう。近く元エルマロのアイゴンのプロデュースでミニ・アルバムを出す。ギター、ベース、キーボード、ドラム、パーカッション(曲によっては、トランペット系も起用に吹く)というバンドを率いてのもの。もともとソウル~レゲエ路線で言っていた人だが、多少シフトしてロッキン・ファンク路線を取っていると乱暴には言えるか。いろんな才ある人を集め、興味深い表現を生み出せる秀でた“触媒”になれるシンガーだと思う。まっとうなビートを送りだすトラムが普通の奏者とは逆となる左足でバスドラをキックしていてびっくり。ハイハットはやはり左側の位置。なのに、オープン/クローズもしていて、あれれえ?


8日(土)

パッファロー・ドーター、メタルチックス

 新宿・リキッドルーム。まず、先にシャガー吉永とDMBQ(1999年8月31日)の吉村由加による二人ユニットがパフォーマンスする。あんまし、意外性はないか。休憩をおいて、バッファロー・ドーターが登場する。やはり、素晴らしく魅力的な、今のロック・バンド。もう、世界のヤツらザマーミロ、なんて誇らしい気持ちをいたく感じる。前回見た公演(2002年2月13日)で持ち上げまくっているが、今回も同様。サポート・ドラムが入るライブのほうが、ぼくはCDよりも好きだな。今回も瑞々しくも今がある、非常に秀でた感性を持つ、ビート・ミュージックに体を揺らす。ああ、これは****の現代版だという感想も見ながら得たが、書いている今はその名前をすっかり忘れてしまった。アンコールの最後に、ミュージック・ヴィデオ・ヴァージョンと言って、音楽にあわせて4人が弾き真似を延々と。うひひひ。

 その前に、別に日曜に行けるんだけど、衆議院の不在者投票に行く。あーあ、目黒区の出張所のほうが近いんだよなー。世田谷区のバカ。オレ、選挙日当日に投票に行くのことにすごい負担を感じる人。なんか、見届け人みたいのがしらあっと座っている、あの投票所の雰囲気が超イヤ。なんか、ミョーに監視されている感じを強く得ちゃう。スクエアに表面を取り繕うことしか出来ない駄目な大人に迎合するみたい気にもなっちゃう。まあ、この年こいて今さら何言ってんだかって感じだが、なんかあの空気、ぼくにはどーにもこーにも苦手っす。まあ、不在者投票でも当日ほどではないにせよ、同様にムっとさせる感じはあり、それを大人げなく外にだしてしまうワタシであるが。音楽と選挙に関しては、ぼくの推すものは一般受けしない……。悲しい。


4日(水)

ナタリア・ラフォルカデ

 ソニーレコードの乃木坂のほうのビル/スタジオの、ライヴテリアと名付けられたホールにて。ショーケース・ライヴ、だがちゃんとバンドを引き連れてのもの。メキシコのまだ10代のおきゃんな跳ねっ返りポッパー。うわあ、小さい。150 センチないのではないか。後ろ姿だと、小学生低学年にしか見えない。そういえば、バンドの面々も大きくない。なんか、カンボスのことをふうっと思い出す。昔、メキシコ・シティに立ち寄ったときは、どーだったっけか。そのときのことで印象に残っているのは、前助手席の椅子をとっぱらったVWビートルのタクシーであり、クリスマス~新年シーズンに合わせての街路樹に付けられた電球群のスケールの大きさ、綺麗さだった。

 アルバムは電気オペレイション音も入っていたが、ライヴではほぼ生音で勝負。バンドは、ギター、ベース、キーボード、ドラムという編成。けっこう、腕がたつ。一部、本人は生ギターを手にするが、その音はとっても綺麗だった。アルバムよりずっとロックっぽい感じのパフォーマンス。40分ぐらいやったかな。


 かつてNYで見たビースティーズ的でもあるパンク・バンドもメキシコの連中だったが(2000年8月15日)、今、ぼくのなかではメキシコのポップ・ミュージックに対するもやもやした期待は膨らみまくっている。ま、それはひとえに、フジ・ロックで見たエル・グラン・シエンシオ(2003年8月25日、27日)のせい。ありゃあ、すごすぎ。彼らをプロデュースしたアンドレス・レヴィンはその回路を一部、自分のプロジェクトであるジェルバ・ブエナに応用してますね。まあ、数年前からいくつもその手の人達が日本にも紹介されているけど、メキやん、なんか今すごいのだ。


by eisukesato | 2003-11-01 00:00 | 音楽 | Comments(0)