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佐藤英輔のライヴ三昧 Diary noteから引っ越し中


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2003年1月8日〜30日

30日(木)

シー・アンド・ケイク

 2年ぶりの来日とか。それ以前の、その中心人物のサム・プレコップのライヴ(1999年6月6日)は印象に残っているが、シー・アンド・ケイクの実演は覚えてないなーと思ったら、直前に行くのキャンセルしちゃっていたのだな(2001年2月3日)。でも、シー・アンド・ケイクはシー・アンド・ケイク、そんなに変わるものでもないんじゃないか。別に悪い意味でなく、この日のステージを振り返りながら、そう思う。飄々としたプレコップの弾き語りを核とする、含みのある風通しのよい暖簾に腕押し的なパフォーマンスを見せる。4人に加え、キーボード奏者が付いた。新作はほんわかソフト・ロック度を増しているような感じもあったが、そういう微妙な華やかさもなし。それにしても、ジョン・マッケンタイアはあっけらかんとリズムをときに外す人なのだなあ。


28日(火)

EQ、セリーナ・ジョンソン

 まず、目黒のブルース・アレイで、日本のジャズ・カルテットのEQを見る。納浩一ほか、フュージョンやスタジオも器用にできる、働き盛りのミュージシャンたちによる、テナーのワン・ホーン編成。甘さを排し、今の“立ち”を意識しつつの、真面目アコースティック・ジャズを狙う。悪くない。

 そして、深夜に西麻布・イエローに行く。DJ HASEBE が回す晩のようだが、そこにジャイヴからレコードを出しているセリーナ・ジョンソンが出るというので。2時半すぎに彼女は登場、いかにもR&Bな喉をカラオケで披露。6曲披露する。彼女のセカンド作を02年のbmr 誌のベスト10に入れたが、やっぱり良い。彼女の父親は、ソウルっぽい路線も行けるシカゴ・ブルーズ・マンのシル・ジョンソン。昔、来日したときにすぐ側で見かけて(マネイジャーは白人のおばさん。偶然、話しかけられた)、そのヤクザかっこいい外見に頷いたことがあったが、彼女のほうはずっと健全なイメージがある。まだ、26才というのにはびっくり。体つきもふくめて、もう少し年長に思えるから。


27日(月)

ジュラシック5

 渋谷・アックス。まあ、まずは昨年2月6日の記述を見ていただきたい。とんでもなく感激し、絶賛している。で、1年もたっていない時期の来日であるし、あのときの興奮は大分下回ると思われたのだ。ところが……、それと同等、いやそれを超えるような感興を得たのだから。4人のMCはみんな個性とワザがあるし、二人のDJの絡みにも本当に聞きほれてしまう。また、その片割れDJニュー・マークはトイザラスの玩具サンプラー2台をつないでの所作も披露する。これがなんともジャジーなもので、本当に腕が立つよなあ。とか、すべては創意工夫と才能にあふれていて、エンターテインメント性もあるし、素晴らしい素晴らしい素晴らしい。本当にヒップホップは豊かなビートと肉声の音楽なのだとも、思い知られれることしきり。メジャーのインタースコープと契約している彼らはなぜか昨年秋にインディから生一本のライヴ盤をリリースしたが、それもうはうはの出来。現在、ナンバー1のヒップホップ・グループ! 少なくても、ぼくにとっては。


26日(日)

セイゲン・オノ・セプテット2003

 南青山・ブルーノート東京。インターナショナルに顧客に持つエンジニアであり、自社ビルのマスタリング・スタジオ所有者であり、自己リーダー作をカエターノ・ヴェローゾにライナー・ノーツを書かせそれをアート・リンゼーに英訳させるという音楽家であり、自己作品からキャレキシコのライセンス契約ブツまで様々な曲者作品をリリースするサイデラ・レコード主催者でもある、セイゲン・オノ(小野誠彦)の今年型編成のライヴ。2000年3月12日以来のブルーノート東京登場となる。

 インプロヴィゼーションをうまく取り入れた、一部だまし絵のような蜃気楼的情緒インスト表現を送り出す。2003年型のバンドはセイゲンのギターに加え、ガット・ギター、ヴァイオリン、ピアノ、アコースティック・ベース、ドラムという編成による。けっこう、音のダイナミクスの幅がでかい。新曲は1曲だけであったようだが、過去の曲も新たな編成で開き直されると新鮮に聞こえた。ところで、ライヴにおいて彼が立って演奏するのは初めて見るような。気合い入ってた? ただ、演奏者としてはプロでない彼のギターの音が完成度の高い全体像を邪魔するときも少し。でも、その秀でた音像のあり方も含め、すべてを規定しているのは並々ならぬ耳と音楽観を持つ彼ありきであるからなー。


22日(水)

ザ・ダットサンズ、惑星

 話題のニュージーランド発の武骨バンドを、原宿・アストロホールで見る。みんな揃いもそろって長髪だったが、実演はアルバムと大きく印象が違う。ガレージっぽいところは皆無で、完全にハード・ロック。ヴォーカルの歌い方もそれっぽい。曲調は30代半ば以上の人だったら、ステイタス・クォとか電化する前のZZトップあたりを思い浮かべるか。でも、ドラムが駄目くんなので、あまりブギっぽくならないのだけど。これだったら、前座に出た日本人3人組“惑星”の女性ドラマーのほうがずっと素敵。実はその惑星は20日にも見ているのだが、そのときと印象が違っていて少しあわてる。音の出方はダイナミックにして良好、でも曲がカッコ良くない、というのは両日に共通する感想ではあるけれど。


21日(火)

JIGHEAD 、ザ・パーキンソンズ。藤井郷子4

 新宿・ロフトで、JIGHEAD を見る。かつて見たことあるような気がするけど気のせいかな? ともあれ、素晴らしいロック・バンド。ボブ・ログ三世的音塊を疾走するバンドで繙いたようなオープナーから、マディ・ウォーターズのひしゃげた「モージョ・ワーキング」まで。素晴らしく、吹っ切れてて、壊れてて、イナセな、切れ切れロックをがつんと提供した。これ、海外のバンドだったら大騒ぎなんじゃないのか。とにもかくにも、テンションが高く、志も高い。絶賛します。

 続いて英国のザ・パーキンソンズ。これが先に出た日本のバンドと比べると、時間が止まったようなパンクを聞かせる。だけど、彼らはきっちりとスピリットを持ち、体を張ってパフォーマンスしていた。やっぱ、それは尊い。音楽性を超える。だからこその、ロック・ミュージックでもあるのだ。やはり、ぼくはそう思いますね。痩身のヴォーカリストは前座のバンドが出ている間もずっと客席側で見てたよなあ。実は3曲しか彼らのことを見ることが出来なかったけど、ぼくは彼らにも多大な拍手を送ります。

 それから、新宿ピットインへ。藤井郷子(2002年8月5日、他)カルテットを見る。セカンド・セットがすでに始まっていたが、けっこう新曲をやってたはず。今まで何度も見ているが、今まで一番起爆力のある演奏だったかもしれぬ。少なくても、いままでで一番ロックっぽかったのは間違いない。とともに、それは4人の関係の持ち方が抜群で、本当に進む方向性が見えていると思わされたりもした。それにしても、本当に難しい曲をやっているよなあ。とにかく、新作『Minerva 』(Libla) が出たばかりだが、次のカルテットのアルバムが楽しみでしょうがない。


19日(日)

ハンドレッド・リーズンズ。ASLN

 渋谷・クアトロで、英国ギター・バンドのハンドレッド・リーズンズを見る。昨年、フジ・ロックに来ているはずだが、ぼくはそのとき見ていない。なんか、メンバーの外見がバラバラなバンド。このぐらい散っている連中も珍しいのではないか。実演能力はそれなりにあって、なんか見ながらアメリカのバンドみたいだなとも思う。エンターテインメント性の取り方にも気をつかっていたかな?

 その後、南青山・カイに。会場に着いてからしばらくして、ASLNの演奏が始まる。おお、ステージ上には9人が立つ。そして、まあ丁寧に隙間のある音響ポップを公の場で開こうとする。それに触れながら、ハンドレッド・リーズンズの旧態依然な音楽性を印象付けられたりして。また、デイヴィッド・バーンの『キャサリン・ホイール』やイーノの『ブッシュ・オブ・ゴースト』が聞きてーなーと思ったりして。


16日(木)

ジョシュア・レッドマン・エラスティック・バンド

 オーネット・コールマンと仲良しでもあったフリー・ジャズ系サックス奏者、デューイ・レッドマンの息子さん(1969年生まれ)。ハーバード大学を出たあと、わりとすんなりメジャー・デビューし、そのまま注目を浴びつづけているエリート系サックス奏者だ。T.S.モンク(セロニアス・モンク)からナス(オル・ダラ)やジンジ・ブラウン(マリオン・ブラウン)をはじめ、ジャズ・マンの息子で音楽の道に進んだ人は当然のことながら少なくないだろうが、そうしたなかジャズの世界に進んだ人のなかでは出世頭と彼は言える? そんな位置にいる人だからすでに何度か日本にやってきているはずだが、ぼくは今回初めて彼を見る。

 ステージに現れた彼、ブンデスリーガとなった高原直泰とけっこう似ている? いや、高原が日本人離れしている顔つきなのか。肌は相当にカプチーノ色。父親のデューイは黒人だが、ジョシュアというファースト・ネームに現れているように母親はユダヤ系となる。ジューイッシュは母親の血の流れを重視し、彼も黒人として以上にユダヤ人であるという認識を持っていると聞いたことがあるが、なるほど。その新作はオルガンを擁するベースレス編成でのものだったが、今回はそれを踏まえてのトリオ編成(サックス、オルガン/エレピ、ドラム)によるものだった。他の二人は白い肌の人たち。

 1曲1曲はどれも10分を超える。でも、まあジャズですから。2曲目はけっこうアグレッシヴで、多少トニー・ウィリアムズのライフタイムを思い出させた? あと、1部はファット(2001年2月15日、2002年2月3日、他)やウィブティー(2000年5月8日)のサックス奏者のように機材を用い、サックス音を重ねた。今後もそういう方策を取るサックス奏者は増えてくるのかな。アンコールの曲はちょっとソウライヴと共演したような感じもあったか。総じて、ジャズの醍醐味にはあふれる。でも、もっと危険な空気を醸しだすやり方を取ってもいいはず。


15日(水)

映画「テープ」。映画「赤い部屋の恋人」

 お日様はちゃんとさしているものの、前日とうってかわって、超寒い日。歩きながら、秋にNYに来たみたいと思う。そう考えると、多少は楽しくなる。アメリカ映画の試写を2本、ハシゴする。

 まず、現代トリップ映画の優れモノと評価が高い「ウェイキング・ライフ」を撮ったリチャード・リンクレイターの新作「テープ」。「奇人たちの晩餐会(1999年9月13日)と同様、演劇用の脚本を持ってきた作品だが、なんとも潔い映画と感ずる。登場人物は3人だけ、場所はモーテルの一室、音楽は一切なし。なのに、一本の映画として持たせちゃうのだから、力を持っているのだろう。と言いつつ、ストーリー自体、ぼくはいまいち魅力を感じなかった。なんか、ポイントポイントがうざく感じた。

 続いて、渋谷・シネカノン試写室で、「赤い部屋の恋人」(この邦題、よく判んねー)。最終試写だったせいもあるかもしれないが、超満員。で、これは面白かった。現代社会の奇妙な人間/恋愛関係をラスヴェガスを舞台に綴ったものだが、引き込まれた。筋は書かないが、勧めます。試写室でものすごーく久しぶりに会った大場正明もこれはいいと感激していた。もっとも、彼は「テープ」も相当評価しているそうだが。知的好奇心を持つ方、大場が去年秋に編んだ『アメリカ映画主義 もうひとつのUSA』(フィルムアート社)を、買ってやってください。この映画のサントラはシックス・ディグリーズから出ているが、なるほどクラブ規格のグローバル今様音楽てな音楽も絵によく合っていた。文句があるとすれば、ストリッパーをしながらドラム奏者をやっている主役女性のほんのちょっとだけ出てくるバンド演奏シーン。これがちゃらい、時代遅れでもあるバブルガムなパンク。トホホだった。


14日(火)

映画「モーヴァン」。ホッグボーイ、ザ・ジーヴァス。ラミア

 陽光が嬉しい、とっても穏やかな日。なんか、嬉しくなっちゃって昼間から出掛けちゃう。

 まず、渋谷・アミューズピクチャーズ試写室で、英国映画「モーヴァン」を見る。40才少し手前のスコットランド出身作家の小説を、やはりスコッティッシュの33歳女性が監督したイギリス映画。閉塞したスコットランドの海岸沿いの街で暮らす20才ちょいの女性が主人公。なんとなくワカるところと、共感できずにいる自分とがいた。クラブ・ミュージックは出口なし状況の、貧乏臭い、悲しいお伴の歌でもあるんだよなあ。なんて、映画を見ながら少し思ったりもする。音楽が小さくないモチーフとして扱われるわりには、音楽(サントラはそんなにテクノしてないが、ワープから出ている)が流れるシーンが極端に少ない映画。でも、それも一つの見識とは思う。……映画の手法以前に、ストーリー自体があんまし、とぼくは感じた。これで、主人公役(サマンサ・モートン)がぼくにとってもう少し魅力的に思える人だったら、感想も大きく変わってきたかもしれないが。

 そして、夜は渋谷・アックス。ザ・ジーヴァスの前座として、英国シェフィールド出身の4人組であるホッグ・ボーイが出てくる。まだ、20代半ば前のバンドのようだが、やっていることはけっこう古臭い。いや、まっとう、とも言えるか。とくに、ヴォーカリストは地声が太く、相当に存在感があって(ここ数年の間に見た英国バンドでもトップかも)大きく頷く。ギターやドラムも引きつけるポイントあり。ときにガレージっぽかったりもするが、その男っぽい骨っぽさに拍手ですね。ステージから嬉しそうに写真を撮るヤワさは減点ではあるが。その後、ザ・ジーヴァスが出てくるが、そんなホッグ・ボーイの後だと妙に脆弱というか、子供っぽく聞こえる。ポップさを持つ曲作りはうまいナと素直に思うところではあるが。2曲と少しで退出。だから、どうこう書く資格はありませんね。

 で、タクシーに乗り、その4分後には、原宿・アストロホールに。中近東生まれで、アフリカを経由してシェフィールドに住んでいたこともあり、現在はNYをベースにしている女性歌手、ラミアのショーケース・ライヴを見る。米国J・レコーズがアリシア・キーズに続く存在として売り出そうとしている(そのデビュー作はネリー・フーパーやデイヴィッド・カーンらが関与する)、曲作りにも関わるエンジェル・ヴォイスの持ち主。1曲目の途中から、見ることが出来た。バッキング音はギター、キーボード、パーカッション奏者が出す生音と事前仕込み音の併用にて。R&Bというよりは、不思議な広がりを持つ混合型ポップと言ったほうがいいか。通訳を介し1曲ごとに丁寧に楽曲の説明をするが、それは言葉や楽曲の背景を大切にしているんだなと印象付けるものであった。1時間近くやったか。最後にやった曲は、ボブ・マーリーの「リデンプション・ソング」。


10日(金)

ジェーン・モンハイト

 南青山・ブルーノート東京。NYベースの、若手のまっとう白人女性ジャズ歌手で、お行儀良くスーツを着こなす白人男性プレイヤー4人を従えてのパフォーマンスをした。レコードだとアコースティックながらいろいろ広がりを持たせているところもあるが、実演においてはもう少し中庸。ともあれ、技量とか音楽性とか言う前に、まずは本人が太っていることに驚く。誤解を招くかもしれないが、ジャズ・ヴォーカルはある種、より趣味嗜好品的なところを要求される。そして、そうした基準からして、彼女の体系は違反ではないか。それなのに、どうしてあんなに体の線が出る格好を潔くするかなー。表現を磨く前にダイエットなさったらと思ってしまった。でも、そう思わせる人がちゃんと大御所たちから認められ(彼女はデイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンとフィル・ラモーンが1997年に設立したN-コーデッドからアルバムを出している)、ちゃんと東京にも来ているのだから、ジャズの価値観のあり方を見直したりもした。


9日(木)

キャットパワー

 マタドールから淡々としたギター/ピアノの弾き語り作を出している女性シンガー・ソングライター。もともとソニック・ユースのスティーヴ・シェリーに見い出された人で、新作はエディ・ヴェダーやデイヴ・クロールらがゲスト入りしていたりもしており、まさしくミュージャンズ受けしている人でもある。

 下北沢のラ・カーニャ。ありゃあ、レコードのまんま。間たっぷりの、実にシンプルな弾き語り。ダークな曲調かつ歌い方でありながら、なんとなく聴感は飄々。そして、淡くどこか漂う虚無感や壊れ感覚に惹かれる。なんか、都市裏町の語り部、なんて形容もそれを聞いているとしたくなる。

 やはり明るい表現ではない、というのは確か。ところが、素の彼女は本当に素朴でまっすぐな感じの健康的乙女。格好は飾り気なく、トレーナーとジーンズだしなあ。で、思った以上に顔の造作はよく、睫毛も長く、お人形さんみたい。実は終演後、知り合いと飲んでいたら、打ち上げをレコード会社の人たちとやってた彼女が、あなたちも混ざりなさいよみたいに、屈託なく声をかけてきた。年下の彼氏(文科系型)同伴というのは気に入らぬが、何かと健やかそうな人だった。カラオケ行きたーいと言って、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」を少し口づさんだりもしていた。そんなこんなで、ステージでのパフォーマンスとの落差ありすぎ。やっぱり、いろんな人、いろんなパターンの人がいますね。


8日(水)

映画「ぼくのスウィング」、チャボロ・シュミット+マンディーノ・ラインハルト他

 まず、飯田橋の日仏学院のホールで、フランスにおけるマヌーシュ(ジプシー)のでこぼこを扱った仏映画の「ぼくのスウィング」を見る。うわ、来ている人は女性だらけ。ぼくは別のほうから声をかけてもらって行ったのだが、なんでもフィガロ・ジャパン誌の読者招待イヴェントだという。上映前に、自らもマヌーシュの血をひくというトニー・ガトリフ監督が挨拶する。外見は只のおっさんだった。

 ひと夏おばあちゃんちに身をよせた育ちのいい少年がその地(フランスの北東部、アルザス地方)で、ジャンゴ・ラインハルトを根っこに持つエキゾ且つスウィンギンなマヌーシュ・ギター表現と出会い、それを発端とする、マヌーシュの少女との淡い恋模様を描いたもの。そこには、マヌーシュのコミュニティや価値観との触れ合いも描かれ、音楽演奏シーンもふんだんに盛り込まれる。映画中には何度もジャンゴ・ラインハルトという言葉や彼の写真も登場、少年にギターを教えるギタリスト役(少年と少女と彼の3人が映画の主役と言えよう)はジャンゴの後継者と言われるれるというチャボロ・シュミットが演じる。また、骨董品屋役にも、チャボロと親しく、自らノート・マヌーシュというグループを組んでいる、やはりギタリストのマンディーノ・ラインハルトがついている。実は彼、実際に骨董品屋をやっていたことがあるのだそう。

 ちょっとクラスの違う少女との違う邪気のない初恋を描くということにかけては映画「小さな恋のメロディ」とけっこう重なる。少年期の未知の世界への冒険ということでは、映画「スタンド・バイ・ミー」あたりとも重なるか。異文化にあるギター表現に少年ひかれたという題材は映画「クロスロード」を思い出させる?

 確実に、もう一つのフランスを描く。やっぱり、その底には表の欧州的価値観から迫害されてきたマヌーシュとしてのしなやかなつっぱりがある。……いろんな人がいて、いろんな価値観のもと、線太く生活している。人々にはそれぞれの居場所がある。そんなことを再認識させられたかな。また映画を見ていて、昔スペインのセヴィーリャに行ったとき、偶然出くわしたジプシーの壮大なお祭りを思い出した。6月下旬だったか7月だったか、海の側から3日間かけて内陸部のアンダルシア地方に向かってシプシーたちが大移動するというお祭りだったんだけど、もうジプシーの馬車が街道を延々と進む、その光景には不思議な感興を覚えたなあ。人間にとって、何がナチュラルなのか。それは本当に様々……。なんか、いっぱいワンンを飲んでいた(このあと、一時ぼくはスペイン・ワインを偏重するようになった)せいもあるが、頭のなかで言葉にならないざわめきが起こりまくっていた。

 ともあれ、なかなかの音楽映画であり、ジプシーを扱った映画。とくに、マヌーシュの娘スウィング役がなかなか魅力的。というか、総じて絶妙のキャスティングがなされている。最初にストーリーを知らないで見ると判りづらい部分もあるかと思うところもあるが、興味深い佳作であると思った。今月中旬から渋谷・シネマライズで上映される。

 終映後、すぐに別棟のブラッセリーで、映画にも出ていたチャボロとマンディーノら4人による演奏が始められる。生ギター3本と生ベース。なるほど、瀟洒で粋なマヌーシュ・スウィングを飄々と繰り出す。完全ノーPAにて、わきあいあい。30分ちょいぐらいやったかな。優雅なおとぎ話、とも言いたくなる演奏でもあった。アルザス地方の白ワインがふるまわれていたこともあり、気持ちよく、ゆったり聞けた。今年はジャンゴ・ラインハルト没後50年なのだとか。そんなこともあり、彼らはこの夏にも来日するという。


by eisukesato | 2003-01-01 00:00 | 音楽 | Comments(0)