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佐藤英輔のライヴ三昧 Diary noteから引っ越し中


by eisukesato

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2002年5月1日〜30日

30日(木)

ノラ・ジョーンズ

 前日から、単独でローマに移る。ああ、あったかい。ホテルのバスルームにビデがある。言葉が変わる、気候が変わる、文化が変わる。刺激的なことよ。イタリアは今年に入ってからユーロに通貨が変わった。現在、ユーロはほぼドルと同じような円換算率。とっても買い物しやすい。

 すごーく自由時間ありでいっぱい気儘に動く。遺跡のなかにあるような都市。前にローマに来たのは10年前近く。とはいえ、そのときいろんな名所を見たりしたので、今回はそういうのはなし。地下鉄は落書きだらけ。10年以上前のNYの地下鉄をマジに思わせる。人種はロンドン以上に幅広いと感じる。とともに、どんな人種にせよ、ロンドンより小さめの人が多いと感じたか。170 センチちょいのぼくが本当に平均的なサイズと思えたもの。あと、そっかーと感じたのは、男は長髪の人がぜんぜんいない。みんなクリスティアン・ヴィエリかそれ以下。フランチェスコ・トッティぐらいの長さの人なんて本当に見かけない。なんか、髪を長くできるのはサッカー選手の特権なんぢゃないかと思えるぐらい、みんなマメな刈り上げ君なのだ。一方女性の場合、99パーセントはジーンズを主とするパンツ。若い人も。彼女たちは短めの上着で腹や背中は見せるという選択はあっても、脚を見せるという選択ないのダと了解する。それとも、スカートを履くのはショーバイの女性とでもいう暗黙の了解があるのか。

 本屋にロンドンほどサッカー/W杯関連書はないんだけど(両国とも本屋は本当に立派。本当に文化施設というか、お洒落な場として、本屋があるのがよく分かる。逆にそれだけ書籍は日常的なものではないようにも感じられる部分もあった。値段も日本より高めと感じるし)、スポーツ用品店なんかはロンドン以上に日本代表のユニフォームが置いてある。それ、日本人客対策かも知れぬが、一番目立つところに置かれている。マジマジと見たが、あれって紫がかった微妙な青色なのね。あと、ナカタが本当にイタリア人から認められているのは肌で感じることしきり。

 夜は、アメリカでけっこうブレイクしちゃったノラ・ジョーンズのコンサートに行ってしまった。だって、他に面白そうなのないんだもの(っつうか、見当がつかないところも大きいけど)。ローマに着いてまず買ったのは、タイム・アウトにあたるromac'e という小冊子。ところが、コンサートの数(ハコの場所も)がぞれを見るかぎり少ないんだよね。外タレのコンサートもとても少ない。ぼくが滞在時はアメリカのフュージョン系ベース奏者リンカーン・ゴーインズぐらいしか見当たらなかった。やっぱりイタリアのポップ・ミュージックには多少の偏見もあるし(romac'e には音楽の説明も少し書いてあるが、カヴァー・バンドとかいうのが多かったりした)、行って変なのだったらやだしなあ。オペラに行く根性もない。それで、アメリカ人ジョーンズさんの公演に行ってしまった。日本にこの前プロモで来ている彼女だが、ぼくはそのときのミニ・ライヴを見ていなかったし。あ、なんか弁解ぽい?

 場所は、ラ・パルマ・クラブというとこ。タクシーの運転手は何度か道を通行人に聞いてやっとその場所に着く。10時過ぎに会場に着いたが、イタリアでは、そのぐらいから公演が始まる場合が多いようだ。車を降りると、なるほど変哲もないところに人がうじゃうじゃいる。っていうか、物凄い列を作っている。レコード屋にも彼女のCDがズラリとあったけど、ここでも話題になってんだなーと思わされる。

 少しづつ大群は前に進み、お洒落なアーチをくぐり、やっとチケットを買う。15ユーロ。これは、同地の公演料としては少し高めのほうとなる。ただし、飲み物チケット付き。なのはいいのだが、それはソフト・ドリンク用で、アルコールを買うにはバーで新たにお金を追加するようになる。ソフト・ドリンク2ユーロ、ビールは5ユーロ、その他のアルコールは8ユーロ。おいおい、2杯カクテルやヘヴィ・スピリッツやワインを飲んだら公演料よりも高くなってしまう! ビールもクアトロと同じ大きさのプラスチック・コップでくれる。いやーん。イタリアの意外な一面を見た。

 話ズレたが、並んでいるうちに分かったのは、これはお洒落な作りの野外会場なのだということ。中に入ると、緑に囲まれたスロープを応用したパート・タイムの会場だということが分かる(でも、安っぽさはそれほどなし。横には食事をサーヴする建物もあった)。前のほうは椅子席、後のほうはテーブル席。キャパは600 ぐらいはあるか。盛況。客層は大人が多い。ちょっと後ろのほうは社交場みたいな雰囲気もあった。途中で分かったのだが、この会場は彼女の公演のあと、6月に入ると同月いっぱいにわたってジャズ的ないろんなアーティストを呼ぶドルチェ・ビータ・ジャズ・フェスティヴァルというイヴェントでずっと使われる会場であるらしい。彼女は別ワクの単独打ち公演だった。

 さて、肝心のノラ・ジョーンズのパフォーマンスだが、けっこういい意味であれれという感じ。東京のステージを見た人からレコード以上にジャジーだったという話を聞いていたのだが、はたして単純にそうか。編成は、ピアノを弾きながら歌う彼女と、ジャズを知っているだろうギターと生ベースとドラム。そういうポイントを取れば、ジャズ的なセッティングと言えるだろう。だけど、ぼくがその実演に触れてまず感じたのは、生の温もりを大切にして、シンプルかつスポンテニアスにやろうとする意思であった。

 それで、その総体としては、さらりな感覚としっとり感覚をうまく両立させた非常に柔和なシンガー・ソングライターという姿をぼくは感じたんだよなー。うん、ぼくはかなり良質な米国シンガー・ソングライター像を得た。デビューして間もない頃のリッキー・リー・ジョーンズとかを引き合いに出したくなるような。とともに、ぼくはインドの血を引く(それはエキゾな外見を見ても納得できますね)彼女の実演になぜか非常にアメリカっぽい味を感じたりもした。いや、マジに。ジャズっぽい要素を用いるのも含めて。

 で、もしかすると、米国での彼女に注がれる多大な支持もそういう部分に聞き手が引かれてのものではないのか? それとともに、ジョニ・ミッチェルなんかに顕著なように心の揺れを美的かつ音楽的に綴る表現者とジャズ的な行き方の相性の良さをぼくは改めて思い出したりもした。

 オープンエアな会場に漂う、妖艶女性の歌。なんかいい雰囲気で浸れまることしきり。それにはコンサート前にとった夕食の素晴らしさの余韻も非常にプラスになっているかな。とあるレストランで、鮭と塩漬け豚のパスタ、そしてセカンドとして子牛薄切りと生ハムを重ねたものをチーズを溶かした白ワインで炙ったものを注文。付け合わせのほうれん草を含め、相当に美味しかった。この日は暑くてドライな白ワインを勧めてもらってとったのだが、それとの相性も抜群。ほんとうに至高の時ぢゃという感じで夢心地になれたもの。値段もぜんぜん高くなかったし。幸せを本当に実感できちゃった……。

 ところで、これは東京に戻って10日ぶりぐらいにリハビリで書いている原稿。実はお仕事の原稿とW杯観戦が立て込んでいて、当分このコーナーに出す原稿を書いている暇はなさそう。なんとか笑顔で2週間後ぐらいには、更新したいっス。


28日(火)

ジョブ・ロイ・ニコルズ

 昼のいっときは、ニコル・ルッソという白人女性ソウル・シンガー・ソングライターの取材。クレイグ・デイヴィッドを当てたテルスターが送りだす、20代前半の美形ちゃん。テムズ川を渡った少し上流の高級住宅街にある、相当にお金が掛かったオフィスでのもの。それ、まさしくデザイナーズ・オフィスといいたくなる作りであったな。そのスタッフのなかには来週、日本にサッカーのワールド・カップを見にくる人がいるそう。なんでも、六本木のガスパニックだかは集合場所になっいるとのことだ。

 夜はトットナム・コート・ロード駅近く(とっても便利な場所)のボーダー・ラインというハコで、近くライコ・レコードから3作目となるアルバムを出す、アメリカ出身であるシンガーソング・ライターのジョブ・ロイ・ニコルズを見る。日本には一切来ていないし、彼の名前を告知に見つけたときは嬉しかったな。

 地下にある、手頃なハコ。アコースティック・ギターを手にステージに出てきた彼はなるほど渋い。やつれた感じは少しあるが、俳優と言われてもなんとなく納得しちゃうような、カッコ良さを持っていたとも書けるか。女性キーボード(バック・コーラスも効果的に付ける)、ギター、ベース、ドラム、トロンボーン(いくつかの曲のみ加わる)という編成のバンドを率いてパフォーマンスは行われた。

 確か昔エイドリアン・シャーウッドと部屋をシェアしていたこともあるという経歴を持つはずの彼の2作目はジャマイカで録音していたりもし、曲によってはレゲエっぽいサウンドを採用していたが、この日は実に素直なバッキング・サウンドのもと、飾らない歌を聞かせる。

 総じては、王道にあるシンガー・ソングライター表現を堪能できたと言えよう。凝ったところはそれほどないが、実に心のこもった、地に足ついた実直表現の数々。レコードだと昔のジェイムズ・テイラーを思わすところも少しあった彼だが、その印象は今回のライヴだともっと強まったかな。でも、彼はレンガで出来た裏道も知っていると思わす感触がポイントですね。いいライヴだった。


27日(月)

ロル・コクスヒル、他

 世間はどんどんワールド・カップ・モードに入っている最中、イギリスとイタリアに出張する。なんだかんだでチケットを4試合ぶん確保しているせいもあって、日本にいて世の報道とともに徐々にのぼせ上がる手もありだったけど……→バカ、只のお祭り好き。まあ、サッカー先進国のW杯盛り上がりぶりをリサーチ、という名目にすることにした?

 まずはロンドン。うわ、さぶ。10度ちょい。本屋に行くと、さすがワールド・カップ関連書がいろいろと並んでいる。ある雑誌には、H組日本の予選突破率は7分4(次に高い率は、ロシアの2分の1)となっていた。KOREA-JAPAN(それが、今回の正式表記であったはずだ)ではなく、JAPAN-KOREAと記されているものもあった。

 夜、フィンズバリー・パークという地下鉄駅(この駅はなぜか改札がない)近くのレッド・ローズ・クラブというハコにフリー系サックス奏者のロル・コクスヒルを見にいく。近くには同じ名前の公園があって、タイム・アウト誌を見るとこの夏にはジャミロクワイ他、いくつかビッグ・ネームが野外公演を行うようだ。

 駅から徒歩5分ぐらい。セヴン・シスターズ・ロードという広い通りに面した住宅街の一角にぽっこりとある会場なのだが、不思議なハコだった。ファスト・フードっぽい外観の飲み屋(パブというほど重厚ではない)で、普通に営業している。その店内には疎らに客。え、ライヴはやっていない? 聞けば、奥にちゃんと会場があってそこでやっている。位置関係としてはフランスのカフェとその奥にあるレストランの感じに近いか。

 タイム・アウト誌には5ポンドと記されていたが、お金はとられず。それなりの広さに、50人くらいの客。飲み物は手前のバーから買って持ち込む。そこのおっさんは人が並ぼうと、マイペースでじっくりとギネスを注ぎ、見事な泡の蓋を作ってサーヴする。

 ちゃんと食事をしたため開演時間からだいぶ遅れての会場入り。すると、6人編成のバンドがやっている。各種サックス、トランペット、フルート/ヴァオンリン(女性)、電気ベース、ドラム、ターンテーブル。なんとも、形容のしがたいぼやーんとしたインプロ系インスト表現ではあったなあ。そんなに興味が引かれず。

 休憩があって(その間、ターンテーブル奏者はDJを努めるが、けっこうさぶい感じ)、またさっきのバンドにロルとギタリストが加わっての実演がスタートする。大笑いなのは、ステージ上にいる女性を抜いた7人のうち6人はスキンヘッドであること。なんとまあ。そういえば、客側もけっこうスキンヘッド率が高い。ありゃ。コレ、知っている禿げ頭アーティストの公演と知らなかったら、とんでもない集会に顔を出してしまったとビビっちゃうよなー。一緒に見に行ったビクターの田村さんは、それだけコクスヒルを尊敬する人が多いんじゃないですかーと言うが。

 このセットの演奏は、完全に電気マイルス・マナー。たじろぐぐらいに。ロルは完全にメンバーの一員といった感じで、ときに地味なソロをのせる。ま、どってことなかったが、英国のさりげない場でUKフリー・ミュージック界の名士の実演に触れる。その事実だけで、なんかぼくは嬉しかったんではあるが。なんか、往年の英国名サッカー選手のジョギングを見かけたキブン、なんて。

 ギグが終わって店の外に出ると、店の看板には“キャバレー&シアター”と記されている。普段はコメディなんかを見せる場でもあるらしい。


23日(木)

オーガニック・グルーヴ

 この日は、ライヴ・パフォーマンス勢が2組出る、非オールナイト公演。出演バンドは日本人のフォトと米国人のサウンド・トライヴ・セクター9。後者は、某通受けレーベルと契約したという話もありますが。

 フォトはツイン・ドラム編成。最初のうちはけっこう場内も空いていて、まっりゆったり見れる。音がすうっと耳を通り抜けていく。なんか、今っぽいインストをやりたいという意図は伝わる。そして、それはサウンド・トライヴ・セクター9も同様。こちらは2部構成。フュージョン調あり、ファンク調あり、レゲエ調あり。だが、ときにプリセット音を加えての演奏は確実にエッジが立っていて、クラブっぽい。彼らのセカンド・セットの大半はドラムン・ベースのビートを取り上げてのもので、余計にそういう感覚は増したか。なるほど、今のダンス・フロア用実演バンドとしての用件を十二分に満たしていたバンドでしたね。ところで、オーガニック・グルーヴの第一回目に登場した、レイク・トラウトはどうしたろう? (1999年6月12日参照)

 会場は南青山・カイ。普段は人が入るとサイアク、何も見えないと文句を言いたくなる会場だが、この日はアーチ状の天井を見ながら、まったり音楽を二次的に楽しむにはいい会場かもねと酔っぱらったアタマで思ったりも。あんまし混んでいないのが最低条件だけど。


21日(火)

テリー・キャリア

 昨年に続く来日。その昨年の東京公演はフジ・ロックとバッティングしていて見れなかったんだよなー。そのときと同じく、南青山・ブルーノート東京でのショウ。

 ギターを手にする御大は、ギター、キーボード、サックス/フルート、ドラム、打楽器奏者という編成のバンドを率いてのもの。一発目の歌の出だしから、ああ凄いゾと思う。朗々熟れてて、濡れている声。彼、マイクからかなり離れて歌っていたけど、相当な声量の持ち主だな。意外だったのは、けっこうバンドが40代ぐらいの人が多かったこと。もっと若い人達とライヴを飄々とやっているのかと勝手に思っていた。バンドはみんな、白い肌の人たち。

 彼の場合も、ファースト・セットとセカンド・セットでは全部曲目が違うという。で、なんか想像以上に良く、事情が許したので予定変更してセカンド・セットも見る。セカンドのほうが入りがよく、客の反応も熱い。

 セカンドのほうは、よりジャジーな曲(キャリアはスキャット連発した)やちょっとロックぽい曲をやるなど、曲調の幅が広かった。セカンドのほうがやるほうも嬉しそうでバンド演奏も決まっていたような気もしたが、ファーストはしっとり目の曲が多く、熟した彼を楽しむならそっちのほうが適していたかもしれない。

 しかし、60年代からソウル+フォーク+ジャズ+?ということをやってきた人なわけで、その我が道を行く、普遍的な何かと繋がりつつのかっとびぶりには脱帽。というか、不思議な気持ちになった。


13日(月)

アンビョルグ・リーエン。レイラ・ハサウェイ

 まず南麻布のノルウェー大使館で、ノルウェーの伝統的フィドルを操るアンビョルグ・リーエンのライヴを見る。広尾駅近く、周辺にスイスやフランスの大使館がある、閑静な地区の一角。その入口には警察官も門番もいない。すうっと、会場となっている大使私邸のほうに入る。例の、中国の総領事館の事件を思い出す。

 入口で大使夫妻がお出迎え。大使、上はちゃんとしているのに、下は真っ赤なパンツ。ありゃ、それがノルウェー王国の正装なの? ノルウェーといえば、今のぼくにはブッゲ・ベッセルトフトら進歩的ジャズマンの国という印象を抱くわけで、大使館内に入ってなんかその秘密が見つかるかと思ったんだけど(←ウソ)、まあ円満な感じはしたかな?

 女性奏者。通常のものよりちょっと小降りなフィドルを自在に操る。多くは、テープだかCDだか知らぬがシンセサイザー系音によるバッキング・サウンドに合わせて弾く。すぐに、ものすごく腕が立つのが分かる。ザ・チーフタンズのアルバムに客演したこともあるそうだが、奏法/曲調(トラディッショナル曲中心だったのかな?)ともにアイリッシュ・ミュージックとの繋がりを感じさせる。ニュー・エイジぽいのもあり、さらに1曲はパット・メセニーぽいと言えなくもない。音楽性が頭打ち気味のメセニーはアイリッシュっぽい方向に出るという手はあるかもなーと人ごとながら思ったりもした。1曲、スウェーデンの楽器だという不思議な(縦と横に弦が張ってある)木製楽器を弾く。そちらは、シンセ系音色のフィドルといった感じの音が出る。6曲やった。

 彼女の演奏が終わったあと、上妻宏光というまだ20代だろう津軽三味線の人が出て2曲演奏。ちゃんとMCのできる人、好感を持った。なんでも、ノルウェーで秋にやるジャパン・ウィークに出演し、リーエンと共演するのだという。フィドルに比べると、三味線の音って本当にプリミティヴだなあ。

 その後、日比谷線に飛び乗り東横線に乗り継いで、横浜・モーションブルーに行く。レイラ・ハサウェイの出演。この1週間に3回も横浜に行っていることになる。あ〜、たそがれのブルー・ライト・ヨコハマ。入りは前回の時のブッゲ・ベッセルトフト公演と違って満員だった。

 ハイラム・ブロックのブルーノート出演のときに同行して(1999年7月14日。彼女のことに触れていないが、2000年6月21日のときもそう)いた彼女だが、ソロとしては初めての来日公演となるのか? キーボード、ギター、ベース、ドラム(そして、ときに一人の女性バッキング・ヴォーカル)を従えてのパフォーマンスを披露する。思った以上に、ジャジーだ。バックの演奏も、ボトムの効いたフュージョン調という感じ。歌い方は軽いが、自分なりにフレイジングを楽しんで歌っていましたね。途中ベース・アンプに不備が出て、つなぎで彼女はエレピをバックにスタンダード曲「フォー・オール・ウィ・ノウ」を特にジャズっぽく歌ったりもした。近々、本当に久しぶりとなるアルバムを出すというが、はしてこの日のライヴの路線のアルバムなのだろうか?

 終演後、中華街へ。タクシーの運転手が午前中火事あったの知ってますかと言う。なんでも、老舗の萬珍楼が2時間以上も燃えていて煙が凄かったそうな。その現場の横を通ったが、外観はけっこうしっかり(そんなに燃えてなくて)残っていた。基本的になんも変わらぬ、中華街。家に帰って夕刊を見たら、1面にカラー写真付きで報道されていてホエっ。燃えているときは凄かったのかもしれないが、夜に現場を見た者としては、ほとんどニュース価値(って言い方不適切かもしれぬが)を感じず。事実の感じ方、捉え方って難しい、かも。


10日(金)

ペズ

 そんなに弱くない雨がずーっと降っていた日。3月15日で書いている、5人組。新宿リキッド・ルーム。単独公演。ゆえに、リハーサルはたっぷりやれたはずだが、音質がいまいちだぞーとぼくは感じた。とともに、もう少し音が大きくても良かったのではないだろうか。破天荒さ、親しみやすさを、明快な“ジャズ的気分”で押し出す。目指すはポップ・フィールドで勝負できるインスト表現……。連中、ほとんどソロを取ることに興味がないらしいが、前に見たときより取っていたかな?


9日(木)

ヴェガ4

 日本先行発売という、ロンドン・ベースの若手4人組を原宿・アストロホールで見る。ちょっと髪の毛危ないんじゃないのーって感じながら、みんなルックスはよろしげ。それは、二日前に見たエイリアン・アント・ファームと比べても一目瞭然。そのデビュー作のアドヴァンス・カセットを聞いた分においては強烈な印象はなかったが、ライヴ・パフォーマンスのほうが存在感があるバンドと言える。とくに、歌はちゃんと聞こえた。そのフロントにたつジョン・マクダードという人はアイリッシュだそうだが、曲作りの部分ではU2の影響を思わせる部分もあるかもしれない。アンコールを含め、約1時間のステージ。


8日(水)

ウィブティー、ブッゲ・ベッセルトフト

 フューチャー・ジャズという呼び名が使われるようになって、どのぐらいたつのだろう。実は、個人的にはその呼び名が好きではない。だって、世間で言われているフューチャー・ジャズっていう音楽、それは未来的なものではなく、単にジャジーな要素にクラブ語彙をはじめとする他の音楽要素が重ねられたものにすぎないから。なかには、過去のソウル・ジャズの焼直しみたいなものまで、そういうほうに括られていたりもする。なんで、そういう今様折衷表現の形容として<未来>という輝かしい言葉を持ち出さなくてはならないのか。第一、ジャズとは生理としての未来なるものと繋がった音楽ではなかったか。……まあ、それについては、ジャズという音楽が必ずしもそうじゃなくなってしまったからという説明が出来るかもしれないが(もしくは、フューチャー・ジャズはもともとジャズじゃない表現を指すものだから?)、少ないながらもまだまだそういうリアル・ジャズは存在するのは間違いない。ジャズを舐めてはいかん。

 なんか、文句書きついでにもう一つ。一頃、ソウル・ジャズやクラブ系ジャジー表現が流行ったときよく言われたのが、1960~70年のソウル・ジャズ表現がこれまでジャズ界で評価されてきていないのは遺憾、だから旧来のジャズ界はダメなのだという、言いぐさ。あー、うんざり。なんですべてを分かりきったように自分の土俵でモノを語ろうとするかなー。そりゃ、ソウル・ジャズもの、グっと来るのは少なくない。なんせ、オレはかつてプレスティッジ/リヴァーサイドをソースとする、<ソウル・ソサエティ>というソウル・ジャズの4枚シリーズのコンピレーションを組んだこともある男だ。それはよく分かる。だけど、すべてがちゃんとうまく行く、いいものがぜんぶ評価されるなんてことはありえない。それはジャズ界に限らず、ロックやソウルの世界を見ても同じだろう。それなのに、自分と関わりの薄い世界にアヤ付けるって根性がよくぼくは分かん。それに……別にジャズ界擁護ではないが(したくありましぇーん)、ぼくはモンクやミンガスやドルフィーがこれまでジャズ界で正統に評価されてきたことに胸をなで下ろす。彼らがないがしろにされ、ルー・ドナルドソンやリチャード・グルーヴ・ホルムズがより評価されるジャズの見識なんて、ぼくイヤですよ。だって前者には替えがないが、多くのソウル・ジャズ系アーティストの今聞いて光っていると感じるポイントはJBズ他のソウル~ファンク表現で替えがきくから。

 そうなのダ。ちょっと誤解を招く言い方になるが、ドルフィーは何よりもジャズでしかなく、まずジャズという物差しで図ってこそ有り難みが出る音楽だ。その点、過去に見落されがちだったソウル・ジャズはジャズの物差しを持たず、ソウルの耳で聞いてもよく聞こえるものであるのは間違いない。もっと書けば、今の非ジャズ愛好者がソウル・ジャズをいいぢゃんとするポイントというのは、そこに自分が普段から求めているグルーヴ感をはじめとするポップ側の感覚が見いだせるからであって、ジャズがジャズたらしめる醍醐味の種を見いだしているわけではないのではないか(だったら、別のアーティストが持て囃されるハズ。依然として、パンク・ジャズ系の再評価は進まないし)。であるならば、かつてのソウル・ジャズをちゃんとグルーヴィな同時代表現として拾い上げられなかった当時のソウル/ダンス・ミュージック側ジャーナリズムも同様に非難されるべきではないのか。って、こういうこと、過去この欄で書いていないよなー。ほんと、前に書いたこと、すぐに忘れてしまうんだよなー。

 話は脱線したが、そうしたなかブッゲ・ベッセルトフトが主宰するジャズランドはフューチャー・ジャズという形容が冠せられていても抵抗を感じない、リアルなジャズ衝動と今をちゃんと呼吸した先に何かを求めようとする意思を持つプロダクツを送りだすレーベルであると思う。

 場所は横浜・モーションブルー。まず登場したのは、同社の新進グループのウィブティー。サックス、ベース(生も弾くが、電気主体)、ドラム、電気効果音担当者がその構成員だ。前に取材したときニルス・ペッター・モルヴェル(2001年9月28日)も彼らのことを褒めていたが、マジに素晴らしい、進行形電気ジャズ。うわあ。マジなジャズ感覚と電気効果の素晴らしい拮抗表現というしかなく、その総体は今のドロドロした空気をずずいと切り裂いて前進していくような質感があって本当にぼく聞きほれた。サックス奏者はかなり表現力豊かで(大昔のヤン・ガルバレクがさもありなんてな感じ)、ときにファットのように自らの音をサンプリンクしたりもする。ドラムの音ははときにダビィな処理が差し込まれたりもする。

 そして、そこにキーボーディストのブッゲが加わるのかと思ったら、彼はちゃんと自分のバンド(ベース、ドラムス、DJ、パーカッション)を率いてパフォーマンスをした。両バンド、それなりの時間をかけていたし、至近距離でゆったりと見れて、これで3,500 円とはすごいお値打ち。なんか、充実した夜のコースを昼のランチの価格で頂いた感じぃ?

 ブッゲ・ヴェッセルトフトの演奏はウィブティーのそれに比べるとけっこう目鼻だちがはっきりしていて、下世話というかなんとなくポップだなと思えた部分もあった。自らの肉声をモチーフとして用いたりするなど、前回来日公演(2001年5月27日)とけっこう印象が違う部分もあり。グループとして動いているのを実感できた。ただ、この日のライヴを見て、ピアニストとしては限界があるナ、すぐにハービー・ハンコック亜流簡素版フレイズになると思ったりも。それゆえに、彼はサウンド全体でもってモダンさや狼藉を求める方向に出たというのも、自然な流れのようにも思える。彼の新作は名逸脱歌手シゼル・アンダーソンとのデュオ作『アウト・ヒア・イ、イン・ゼア』だが、聞きどころある不思議な仕上がりになっている。まだまだ、注視していきたい人ですね。翌日の取材のときに、欧米のポップ・スターでプロデュースしたい人いますと雑談ぽく聞いたら、別に今のままいいよと言いつつ、でもロバータ・フラックはいいなあなぞと返してきて、ヘっと思わされた。


7日(火)

モー・サム・トーン・ベンダー、エイリアン・アント・ファーム

 2月20日の項で書いている“スラム”の第3弾。お金も手間もかかるだろうに、ちゃんと続いてますね。さて、あと何回やるか?

 渋谷・アックスにて。場内に入ると、福岡出身のモーサム・トーンベンダーがやっている。名前がカッコいいよなー。まっとうなバンドと思う。続いて、パパ・ローチのレーベルから出ている米国西海岸の4人組のエイリアン・アント・ファーム。リズムが弾まないロック・バンドということ以外、あとはあんまし明確な印象がない。そ・れ・は、飲み過ぎが原因でーす。次の日になると多くのことは忘れてまーす。でも、そんな日常が楽しいでーす。ほんの少し、コレでいいのかと思うときもあるけど。ま、それも人生〜〜〜。


2日(木)

アリシア・キーズ

 赤坂・ブリッツでの、ショーケース・ライヴ。ピアノが弾ける人の、ちゃんとバンドを従えてのステージだった。他にキーボード二人、ギター、ベース、ドラム、コーラス3人がつく。若さから来るものかどこかビミョーな薄さもあるのだが、楽しんで見れた。やっぱり、ちゃんと楽器を弾ける人の確かさがあったとも言えるかな。

 えっと、唐突ですが宣伝です。友人が本を出しました。速水喬子著、『ホームヘルパーは見た!』(宝島社文庫、600 円)。自らのホームヘルパー体験を綴ったものなんだけど、そこに見事なパンク精神があることは保証する。ヨロピクね。どんくさいタイトルだけど、じっさい興味深くも、面白いっスよ。


1日(水)

ジョアン・ボスコ、イヴァン・リンス

 まず登場したのは、ジョアン・ボスコ。ガット・ギター弾き語り。悠々洒脱。もう魅せられた。すげえ。かっきー。その奥にある人間の素敵をもあっさりと示す。見ながら、なんでイヴァン・リンスよりも彼が先にステージに出るのかなーとも思ったが仕方がないか、イヴァン・リンスはバンドでの派手なパフォーマンス設定だから。ボスコとリンスのデュオ(「イパネマの娘」)があって、ステージはそのままリンスのバンド演奏に流れていく。ボスコは約50分ぐらいの実演。

 リンスのパフォーマンスは最初、こんなもんかって感じ。もともと作曲家として名を上げた人でパフォーマーとしては一流ではないから、それも致し方ないことではあるのだが。でも、いい味出しているギター奏者をはじめ、艶のあるフュージョン調演奏と重なっているうちにこれはこれでいいという気分にもなった。40分ぐらいやったか。

 南青山・ブルーノート東京。繰り返すが、ジョアン・ボスコは素敵でした。

by eisukesato | 2002-05-01 00:00 | 音楽 | Comments(0)